ソフトボールピッチャーの投げ方とコツ|ツーステップ投法と投球の種類を図解

ピッチング

この記事ではソフトボールのツーステップ投法のメリットやコツを解説します。

「ツーステップ投法をやってみたいけど、実際効果的なの?」

「ツーステップ投法を習得してみたい」

そんな方はぜひ記事を読んでいってください。

  1. ツーステップ投法とは
  2. ツーステップ投法のメリット
    1. バッターまでの距離が近づく
    2. 球速が上がる
  3. ツーステップ投法のデメリット
    1. 下半身が安定しない
    2. 腰が開きやすい
    3. グラウンドコンディションの影響が大きい
  4. ツーステップ投法の練習方法
    1. セットポジション投球
    2. シャドーピッチング
    3. 下半身だけ全力で投げ込み
    4. マウンドから少しずつ距離を離して投げ込み
  5. まとめ
  6. ソフトボール投手の基本フォーム5ステップ
    1. ステップ1: スタンスとプレートへの足の置き方
    2. ステップ2: グラブとボールの構え(バランスポイント)
    3. ステップ3: アームの円運動(風車のように回す動き)
    4. ステップ4: 体重移動とステップ(前足の踏み出し方)
    5. ステップ5: リリースとフォロースルー(リリースポイントの目安)
  7. ソフトボールの投球フォーム種類比較
  8. 初心者がつまずきやすい3つの問題と修正法
    1. 1. リリースポイントが安定しない
    2. 2. 体重移動ができない(後ろ重心の癖)
    3. 3. 制球が定まらない(軸足のブレ)
  9. ソフトボールの投げ方の基本|まず覚えたい握り方とグリップ
  10. ソフトボールの投法3種類の違い早見表|自分に合う投げ方を選ぶ
  11. 球速を上げる体の使い方|下半身と体重移動がすべて
  12. 投げ方のよくある失敗と矯正法|抜け球・お辞儀・体の開き
    1. ボールが上に抜ける(すっぽ抜け)
    2. ボールがお辞儀して失速する
    3. 体が早く開いてコントロールがばらつく
  13. ソフトボールの投げ方を段階別に習得するロードマップ|4週間の進め方
  14. フォーム崩れの症状別チェック表|症状→原因→直すドリル
  15. 反則にならない投球動作の境界線|イリガルピッチとクイックピッチの線引き
  16. 野手の投げ方とピッチャーの投げ方はどう違う?|目的別の使い分け
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ツーステップ投法とは

ソフトボールのツーステップ投法とは、スキップのように1回ジャンプをして1歩進んだ状態からウインドミルの投球を行う投げ方です。2012年までは禁止されていましたが、解禁後は多くの投手がツーステップ投法になっています。特に男子選手では必須のスキルとなっており、女子でも海外の選手はツーステップが増えてきています。

まずはツーステップ投法のイメージを深めていただくために、以下の動画をご覧ください。

こちらは男子のトップレベルの投手の投球フォームですが、右足で踏み切って一度ジャンプして、着地と同時に投球動作を行っていることがわかります。

次にこのツーステップ投法のメリットとデメリットを解説します。

ツーステップ投法のメリット

ルールの解禁と同時に多くの投手が採用してたツーステップ投法。その背景にはツーステップ投法の大きなメリットが2つあります。

バッターまでの距離が近づく

ソフトボールはホームベースからプレートまでの距離が女子は13.11メートル、男子が14.02メートルと決まっています。しかしツーステップ投法ではジャンプを挟むことでその距離を1メートル以上縮めることができます。この1メートルという距離は、かなり大きな差です。

以下は男子の世界最高レベルである130km/hという球速を野球の体感速度に変換したものです。14.02メートルから投げた場合と、13.02メートルから投げた場合、それと参考として日本人最速の大谷翔平投手を比較しています。

距離 球速 ホームベースまでの時間 体感球速
14.02m 130km/h 0.388s 171km/h
13.02m 130km/h 0.361s 184km/h
18.44m 165km/h 0.402s 165km/h

14.02メートルでも十分に早いですが、ステップを挟むことで体感球速は10km/h以上上がります。1メートル以上近づいて投げることの恐ろしさを理解いただけましたでしょうか。

球速が上がる

ツーステップ投法では距離が近づいて速く感じるだけではなく、実際に球速も上がることが多いです。その理由は大きく2つあります。

1つ目は一歩分の助走をつけることができるから。遠投をするときって、助走をつけますよね。その場で振りかぶって投げるよりも、少しステップを踏んで投げたほうが遠くまで強い球を投げることができます。それと同じでツーステップ投法ではステップを踏んだ分、勢いをつけてボールを投げることができます。

2つ目は体重を前に乗せやすいから。ボールを投げるときは体重が前に乗って、投げ終わりに後ろ足が前に出るような形だと球速が出やすいです。ツーステップ投法だと前に進む慣性が働くので、自然と重心が前方向に移動しやすくなります。

ツーステップ投法のデメリット

スピード面では圧倒的に有利なツーステップ投法ですが、安定感という面ではデメリットも存在します。これからツーステップ投法に挑戦するという方は、ぜひデメリットも意識してください。

下半身が安定しない

ツーステップ投法を行うためには強い下半身が必要です。それはジャンプして着地をする際に強く踏ん張る必要があるためです。

ツーステップ投法において前足はジャンプして着地する役割と、後ろ足を引き付けるために踏ん張る役割が必要になります。その両方ができていないと、上体がぶれたり後ろ足の引き付けが遅くなったりしてしまい、コントロールが乱れる原因になってしまいます。ツーステップ投法を身に着けるためには、投球動作でぐらつかない強靭な足腰が必要になります。

腰が開きやすい

ツーステップ投法では空中で一度体を横に向けて、着地してから再度体を回転させてボールに勢いをつけます。この動作をうまくできないと、体が開いた状態で投球することになってしまいます。特に空中でおへそを3塁側(左投手なら1塁側)に向ける意識は重要です。投げた時にボールが横にそれてしまう場合は、体が開いてしまっている可能性が高いです。キャッチャーに腰の開きを見てもらって、修正をしてみましょう。

グラウンドコンディションの影響が大きい

実戦でツーステップ投法を行うと、グラウンドコンディションに大きく影響を受けてしまうことがあります。大きくは相手のピッチャーの影響と、グラウンドの柔らかさの影響です。

相手のピッチャーもツーステップ投法の場合は、前足と後ろ足の着地の際に穴ができています。特に後ろ足の穴が深くできるピッチャーと対戦するときは要注意です。その穴の影響で自分の後ろ足の着地地点が変わってしまうことがあります。気になる場合は何度も穴を土で埋めて、足場をしっかり作ってから投球するようにしましょう。

また地面がぬかるんでいる場合や、土が柔らかい場合は前足がスリップすることがあります。この場合はステップの幅を小さくして、重心をできるだけ前にかけるように意識します。

このようにグラウンドの状態によってさまざまな対処をしなくてはならないことが、ツーステップ投法のデメリットのひとつです。

ツーステップ投法の練習方法

上記のメリットとデメリットを読んで、ツーステップ投法を身に着けたいと思った方向けに、誰でもツーステップ投法を身に着けることができる練習方法をお伝えします。実際に私はもともとワンステップで投げていたのですが、この練習法でツーステップに変えてコントロールも安定させることができました。

セットポジション投球

ツーステップ投法の練習の前に、基本的な腕の動かし方や腰の使い方、ブラッシングのやり方などをマスターしている必要があります。その確認になるのが、セットポジション投球です。練習や試合前のアップで取り入れている投手も多くいます。手順は以下の通りです。

①体をキャッチボール相手に対して横向きにして立ち、両足を肩幅より少し広めに開く

②前足を上げながら、ボールを持った手の旋回を始める

③前足の着地に合わせて腕を振りおりして、相手に向かって投げる

このとき腰の開きを抑えることを意識してください。ツーステップで投げる際には腰が開きやすくなるので、セットポジションでの投球練習で正しい形を体にしみこませます。

シャドーピッチング

ボールの代わりにタオルを持ってピッチング練習をします。この際意識するのは下半身の動きです。ピッチング動作を行った際に、地面に足が通った線が出来上がると思います。この線が毎回同じになるように意識します。最初は後ろ足を付く場所が変わってしまったり、足の引き付け方が変わってしまったりします。ツーステップ投法でも下半身が同じ動きをできるように練習します。

下半身だけ全力で投げ込み

意識をすべて下半身に集中して投げ込みを行います。腕にはほとんど力を入れなくて大丈夫です。ただ下半身は素早く動かします。

この練習では実際にボールを持った状態での下半身の使い方を身につけます。下半身が正しく使えていると、ボールも基本的にはまっすぐ飛ぶはずです。ボールが左右にぶれてしまったら、フォームが崩れてしまったということになるので原因を考えて修正します。

この練習でうまくボールを投げられるようになると、かなりツーステップ投法の習得に近づいた状態です。

マウンドから少しずつ距離を離して投げ込み

最初はマウンドからキャッチャーに向かって投げ込みます。ある程度安定してきたら少しずつ距離を伸ばしていきます。この目的はフォームのずれを明確にするためです。マウンドから距離を取ればそれだけ、小さいフォームのずれでもボールが大きくそれるようになります。そのため正しいフォームで投げないと、なかなかキャッチャーの場所に投げられません。

投げることができる球速にもよりますが、2塁ベースの近くからキャッチャーに向かって投げても大きく左右にぶれないようなフォームが出来上がれば完璧です。

まとめ

この記事ではソフトボールのツーステップ投法のメリット・デメリットと習得のための練習方法をご紹介しました。私個人としてはツーステップ投法はかなり身に着ける価値のある技術だと思っています。デメリットは多いですが、得られるスピードはそれを上回る価値があります。ぜひたくさん練習して、ツーステップ投法をマスターしてみてください。

ソフトボール投手の基本フォーム5ステップ

ぷららです。ツーステップに進む前に、まずは投手の基本動作を5ステップで整理しておきます。私が新人だった頃、いきなり変則投法に手を出して肩を痛めた苦い経験があるので、土台となるフォームの大切さは身に染みています。文章だけで完結するよう、角度や幅まで具体的に書きました。

ステップ1: スタンスとプレートへの足の置き方

ピッチングプレートに対して、利き足(右投げなら右足)のつま先をプレート前縁にかけ、つま先は本塁方向に対しておよそ15度ほど開きます。反対の足は半歩後ろに引き、両足の幅は肩幅と同程度(約40〜45cm)が目安です。体重はやや前足(プレート側)寄り、6:4の配分を意識すると後ろにのけぞる癖を防げます。膝は軽く緩め、上半身は前傾しすぎないようにまっすぐ立つのが最初のチェックポイントです。プレートを踏む位置は、リーチや回転半径に応じて中央・一塁側・三塁側を試し、自分が最も真っ直ぐ踏み出せる位置を覚えておきましょう。

ステップ2: グラブとボールの構え(バランスポイント)

サインを確認した後、グラブとボールを胸の高さ、みぞおちの少し上で合わせます。これがいわゆる「バランスポイント」で、ここで一瞬静止することがルール上も必要です(最低2秒)。指先はボールの縫い目に対して垂直、人差し指・中指・薬指の3本(または2本)でかけるのが基本。グラブで球種を隠しつつ、両肘は軽く張って力みすぎないようにします。私はここで深く息を吐く癖をつけてから、コントロールがぐっと安定しました。視線は捕手のミット一点に集中させ、肩のラインは本塁とプレートを結ぶ線と平行に保つのがコツです。

ステップ3: アームの円運動(風車のように回す動き)

ウインドミル投法の核となるのが、腕を風車のように1回転させる動きです。バランスポイントから腕を前方下に降ろし、そのまま大きく上後方へ振り上げ、頭上を通過して再び下に降ろします。腕は耳のすぐ横を通すイメージで、肘は伸ばしきらず微妙な余裕を残すと肩への負担を減らせます。回転速度は一定ではなく、最高点を過ぎてから一気に加速させるのが球速のカギ。腕単独で振ろうとせず、肩甲骨から大きく動かすことを意識してください。手首は最後までリラックスさせ、力を入れるのはリリースの瞬間だけです。

ステップ4: 体重移動とステップ(前足の踏み出し方)

腕が頭上を通過するタイミングで、前足(左投げなら右足)を本塁方向に大きく踏み出します。踏み出し幅の目安は身長の50〜60%、つまり身長160cmなら約80〜95cmです。前足は本塁とプレートを結ぶライン上、もしくはわずかに利き手側に着地させ、つま先はやや本塁方向に向けます。後ろ足のつま先でプレートを蹴り、腰の回転で下半身からパワーを伝えるのがポイント。上半身だけで投げると球速も制球も伸びません。私が指導するときに最初に直すのも、ここでの「体重が後ろに残る癖」です。

ステップ5: リリースとフォロースルー(リリースポイントの目安)

リリースポイントは、利き手側の腰の真横、太もも付け根の高さが基本です。ここで指先からボールを押し出すように離し、手首を軽くスナップさせて回転を与えます。リリース後は腕をそのまま前上方へ振り抜き、フォロースルーで投球動作を完結させます。腕を途中で止めてしまうと肩や肘を痛める原因になるので注意してください。最後は前足にしっかり体重が乗り、後ろ足が自然と前へ出てくる状態が理想です。守備に備えてグラブを胸の前に構え直すところまでが一連の動作と考えてください。

ソフトボールの投球フォーム種類比較

ソフトボールの投げ方は一つではありません。代表的な4つの投法を、習得難度・球速・変化球の引き出しという観点で比較しました。なかでも現代の主流であるウィンドミルの投げ方は別記事で詳しく解説しているので、ツーステップに進む前の土台づくりに役立ててください。自分のレベルや目的に合った投法選びの参考にしてください。

投法 特徴 習得難度 球速 変化球
ウインドミル 腕を1回転させる現代の主流 速い 豊富
スリングショット 腕を後ろから前に振る 中速 限定的
ツーステップ 2歩踏み込むダイナミック投法 非常に速い 制球に難
下手投げ通常 初心者向け基本フォーム 遅い なし

初心者がつまずきやすい3つの問題と修正法

1. リリースポイントが安定しない

「ボールが高く抜ける」「ワンバウンドする」が交互に出るのは、リリースポイントが一定でないサインです。原因の多くはアームスイングの軌道が日によって変わってしまうこと。腕を耳の横ではなく、頭から離れた外側を通している場合、リリースが遅れて低く抜けます。修正法は、壁を背にして立ち、腕を回したときに壁に触れる位置を一定にする練習が有効です。私が新人だった頃、毎晩家の廊下でこの素振りを100回続けたら、2週間でリリース位置が腰の真横に固定されて、四球が半分に減りました。動画よりも自分の体に位置を覚えさせるほうが近道です。

2. 体重移動ができない(後ろ重心の癖)

球が遅く、肩や腕だけで投げている感覚がある人は、ほぼ間違いなく後ろ重心です。腕を振り上げた瞬間、無意識に体を後ろに反らせてバランスを取ろうとしてしまうのが主因。修正には「前足を先に出してから腕を振る」という分解練習が効果的です。具体的には、バランスポイントから前足だけを踏み出して止まり、その後に腕を一回転させて投げる。これを20球やってから通常フォームに戻すと、自然と下半身が先行するようになります。私自身、新人の頃にコーチから「腕は最後でいい」と何度も言われた意味を、この練習でようやく理解できました。下半身でパワーを生む感覚は文章だけでは伝わりにくいですが、踏み込んだ瞬間に「お腹に力が入る」感覚が出れば正解です。

3. 制球が定まらない(軸足のブレ)

左右のばらつきが大きい人は、軸足(プレートを踏む足)がリリース時にブレている可能性が高いです。軸足の膝が内側に折れる、もしくは踵が浮く動きが入ると、骨盤の向きが変わってリリース方向が外れます。修正には、軸足のつま先・膝・肩を本塁とプレートを結ぶライン上に常に揃える意識が必要です。練習方法としては、軸足の前後にコーンを置き、投球後もコーンの内側に足が残っている状態を作る。これだけで横方向の制球は劇的に改善します。私の経験では、軸足を意識し始めた試合からストライク率が60%→78%まで上がりました。制球はセンスではなく、軸足の固定で作るものです。

ソフトボールの投げ方の基本|まず覚えたい握り方とグリップ

ぷららです。ここからは「ツーステップ」に限らず、ソフトボール全般の投げ方の土台を補足しておきます。私が新人を教えるとき、フォームより先に必ず直すのが「握り方」です。どんなに腕を速く振っても、握りが悪いとボールに力が伝わらず、すっぽ抜けやお辞儀の原因になります。

基本はフォーシームの握りです。ボールの縫い目が「U字」に見える向きで持ち、人差し指と中指を縫い目に対してVの字に開いてかけます。親指はその真下に添え、ボールを支える役割です。手が大きい人は人差し指・中指の2本、小さい人や小学生は薬指を足した3本がけにすると安定します。

いちばん大事なコツは手のひらをボールにベタッと付けないこと。手のひらとボールの間に指1本ぶんの隙間を作る感覚です。いわゆる「鷲掴み」になると手首が固まってスナップが効かず、回転のかからない死んだボールになってしまいます。指の腹で縫い目を押さえ、手首は脱力。これだけでリリース時のキレが変わります。私自身、握りを見直しただけで持ち球の伸びが明らかに良くなった経験があります。

なお、リリースで縫い目を弾く「ブラッシング」と握りはセットで効いてきます。腕の使い方の細部はブラッシングのやり方の記事もあわせて読むと、握りからリリースまで一本につながります。

ソフトボールの投法3種類の違い早見表|自分に合う投げ方を選ぶ

「ソフトボールの投げ方」と一口に言っても、ピッチャーの投法には主に3つの系統があります。どれから始めるか迷う人が多いので、習得のしやすさと到達できる球速、向いている人を早見表にまとめました。ツーステップはあくまで「ウインドミルの発展形」なので、まずは自分の今のレベルに合う入口を選ぶのがおすすめです。

投法 動きの特徴 習得のしやすさ 到達球速の目安 こんな人におすすめ
スリングショット 腕を後ろから前へ振り子のように振る ◎ かんたん 遅〜中速 これから投手を始める初心者
ウインドミル 腕を風車のように1回転させる現代の主流 ○ 標準 速い 本格的に球速を伸ばしたい人
ツーステップ 1歩踏み込んでからウインドミルで投げる △ むずかしい 非常に速い ウインドミルを習得済みの上級者

まずは振り子運動でコツを掴めるスリングショット投法のステップの使い方から入り、慣れてきたらウインドミル投法の投げ方へ。そしてウインドミルが安定してから、この記事で解説したツーステップに挑戦する——という順番が、遠回りに見えていちばん近道です。私もこの順で覚えたことで、肩を痛めずに球速を伸ばせました。

球速を上げる体の使い方|下半身と体重移動がすべて

「投げ方は覚えたけど球が速くならない」という相談をよく受けますが、原因のほとんどは腕ではなく下半身の使い方にあります。ソフトボールの投球で生まれるパワーの源は、地面を蹴る力と、それを腰の回転で上体へ伝える連動です。腕は「最後にムチのようにしなる場所」であって、力を生む場所ではありません。

球速を上げる体の使い方で意識したいのは次の3点です。

  • 後ろ足で地面を強く押す:プレートを踏む軸足で地面を真横に蹴り出すことで、前への推進力を生みます。
  • 体重を一気に前足へ乗せる:踏み出した前足に体重を移し切ること。後ろに体重が残ると球は確実に失速します。
  • 骨盤を先に回す:上体や腕より先に腰(骨盤)を回し、その回転に腕がついてくる順番を守ること。

この体重移動の感覚が掴めると、同じフォームでも球速が数km/h単位で変わります。下半身トレーニングや具体的な数値の目安、球速別の練習メニューについてはソフトボールの球速を上げる方法で詳しくまとめているので、本気でスピードを追求したい人はあわせて読んでみてください。私の感覚では、球速の8割は下半身で決まります。

投げ方のよくある失敗と矯正法|抜け球・お辞儀・体の開き

最後に、投げ方を練習する中で多くの人が共通してハマる失敗と、その矯正法をまとめておきます。前述の「リリースのばらつき」「後ろ重心」「軸足のブレ」とは別の、握りやリリースに起因する症状を中心に取り上げます。

ボールが上に抜ける(すっぽ抜け)

リリースが早すぎて、ボールを離す位置が腰より前(本塁側)になっているのが原因です。手のひらが上を向いたまま離していることも多いです。矯正法は、リリースを「腰の真横」より気持ち後ろでイメージし、指先が地面を指す瞬間に弾くこと。鏡やスマホ動画で、ボールを離す手の位置を確認すると早く直ります。

ボールがお辞儀して失速する

回転が足りず、ボールが手前で落ちる「お辞儀」は、握りが深すぎる(手のひらに付いている)か、リリースで指を弾けていないサインです。前述のフォーシームの握りに戻し、手首を脱力させてリリースの瞬間だけスナップを効かせます。バックスピンをしっかりかける意識を持つだけで、同じ球速でも伸びるボールになります。

体が早く開いてコントロールがばらつく

踏み出した前足のつま先が本塁より外(投げ手側)を向いていると、骨盤が早く正面を向いてしまい「体の開き」につながります。矯正法は、前足のつま先を本塁方向、もしくはわずかに内側に着地させること。グラブ側の肩を、リリースの直前まで本塁に向けたまま我慢する意識も効果的です。体の開きは球速も制球もまとめて落とすので、最優先で直したい癖です。

ツーステップで生まれたスピードを実戦で活かすには、ボールを離す位置の精度も欠かせません。高さやコースを安定させたい人はリリースポイントの合わせ方を、より速い球を突き詰めたい人は速いストレートの投げ方をあわせて読んでみてください。フォームを固めたあとは投手の練習メニューで反復に落とし込むと、ぷららの実感としても上達が一気に速まります。

フォームが安定してきたら変化球や配球にも幅を広げたいところ。ぷららのおすすめはスライダーの投げ方と、バッテリーで攻めるキャッチャーのリード術です。あわせて読んでみてください。

ソフトボールの投げ方を段階別に習得するロードマップ|4週間の進め方

ぷららです。「ソフトボールの投げ方」を調べる人がいちばん知りたいのは、たぶんどの順番で・どれくらいやれば形になるのかだと思うんです。ここは意外とどこにも書かれていないので、私が実際に投げ込んだ球数と期間をそのまま出しておきます。ぶっちゃけ、才能よりも「順番を間違えないこと」のほうが効きます。

まず前提として、投法ごとに必要な期間はぜんぜん違います。私と後輩3人が実際にゼロから覚えたときの体感値を、数値でまとめました。

投法難易度(5段階)球速の伸びしろ形になるまでの目安試合で使えるまで
スリングショット★☆☆☆☆60〜80km/h約2週間 / 600球約1か月
ウインドミル★★★☆☆80〜110km/h約1〜2か月 / 3,000球約3〜6か月
ツーステップ★★★★★100〜130km/h約3か月 / 6,000球約6〜12か月
エイトフィギュア(8の字)★★★★☆75〜95km/h約1か月 / 2,000球約3か月

エイトフィギュアは腕を「8の字」に振る投法で、日本ではあまり見かけませんがアメリカのユース世代では割と一般的です。腕の軌道が体の近くを通るので肩への負担が軽い反面、球速の上限は低め。ウインドミルの回転がどうしても掴めない人の逃げ道として知っておくと便利ですよ。

そのうえで、いちばん需要が多いウインドミル系(ツーステップの土台)を4週間で形にするロードマップがこれです。1日の練習時間は40〜60分想定です。

  • 1週目:握りとリリースだけ/立ったまま5mの距離で山なりに投げるのを1日50球。腕は回しません。指先で縫い目を弾く感覚だけを作ります。バックスピンがかかって回転軸が横にブレなくなればクリア。
  • 2週目:セットポジションで下半身を先行させる/横向きに立って前足を踏み出し→腕1回転→投球を1日60球。地面に残る足跡が毎回同じ位置になるまで。私はここで3日間、足跡だけを見て投げ続けました。
  • 3週目:正規の距離(女子13.11m/男子14.02m)で投げ込む/1日80球。ストライク率50%を目標に。ここで力を入れると必ずフォームが崩れるので、球速は7割固定です。
  • 4週目:球速を上げる+左右のコース/1日100球のうち、全力は30球まで。残り70球はアウトコース・インコースの投げ分けに使います。ストライク率65%を超えたら、次の段階(ツーステップ)に進んでOK。

合計すると4週間で約2,000球。私の実感では、これを踏まずにツーステップへ飛ぶと100%どこかで壊れます(私は肩でやりました…)。まったくの初心者で「そもそも投手の基本から」という人はソフトボールのピッチャーの投げ方|初心者向け基本フォームから、反復のメニューを組みたい人は投手の練習メニュー完全版を並行して見てください。

フォーム崩れの症状別チェック表|症状→原因→直すドリル

投げ方が崩れたとき、いちばんやってはいけないのが「なんとなく全体を直そうとする」ことです。ソフトボールの投球フォームは連動しているので、症状から原因を1つに絞って、そこだけをドリルで潰すのが最短ルート。これ結構大事で、私は現役時代この表と同じ考え方でスランプの期間を2週間→3日に短縮できました。

症状いちばん多い原因直すドリル目安
ボールが右へ大きく外れる(右投手)骨盤が早く正面を向く「体の開き」グラブ側の肩を本塁に向けたまま20球投げる3日
ボールが左へ引っかかる前足の踏み出しが投げ手側に入りすぎ本塁とプレートを結ぶ線にヒモを置いて踏む2日
高めに抜ける日と低い日が交互アームスイングの軌道が日替わり壁を背にして腕を回し、接触位置を固定(1日100回)2週間
球速が急に落ちた後ろ重心(体重が残る)前足を踏み出して静止→そこから腕を回す分解投球20球1週間
指にかからずお辞儀する握りが深い/手首が力んでいる手のひらとボールに指1本の隙間を作り、5mで50球3日
着地でグラつく(ツーステップ)前足の踏ん張り不足片足スクワット左右15回×3セットを週31か月
ストライクは入るが打たれるリリース位置が同じで球種が読まれている同じ腕の振りで球速差をつける投げ分け練習2週間

コツは、1回の練習で直すのは1項目だけにすること。2つ同時にやると、どっちが効いたのか分からなくなって結局元に戻ります。左右のばらつきが本格的に止まらない場合はコントロールを良くする3つの練習法にもっと細かいドリルをまとめてあります。

反則にならない投球動作の境界線|イリガルピッチとクイックピッチの線引き

ツーステップに限らず、投げ方をいじり始めると必ずぶつかるのが「これって反則じゃないの?」問題です。せっかく球速が上がっても、審判に手を上げられたら全部フォアボール扱いになりますからね。私も高校時代、覚えたばかりのステップで1試合に3回イリガルを取られて2失点という苦い経験があります。境界だけは先に知っておいたほうが得です。

  • OK:スキップ状の1回のジャンプ(2012年のルール改正で解禁)。踏み切った足が地面から離れても、前進していれば問題ありません。
  • NG:軸足が投球方向へ「2回」プレートを蹴る。1回の踏み切りを超えて再加速すると反則です。
  • NG:後ろ足が前足を追い越して着地する(クロウホップの誤解)。ジャンプの着地は前足→後ろ引き付けの順が原則です。
  • NG:バランスポイントでの静止をサボる。両手でボールを合わせて静止しないまま動き出すのは典型的なイリガルです。
  • NG:腕を1回転以上させる。ウインドミルは1回転まで。2回転させると反則になります。
  • NG:クイックピッチ=打者が構える前に投げる行為。球速が出る投げ方を覚えた人がやりがちなので注意。

ぷらら的な実務のコツは、新しい投げ方を試したら必ず練習試合で審判に見てもらうこと。ブルペンでは誰も指摘してくれないので、公式戦でいきなり取られるのが最悪のパターンなんです。「静止2秒」を数える癖をつけるだけでも、イリガルの大半は消えます。全種類の判定基準はイリーガルピッチ全種類と判定される基準にまとめてあるので、投げ方を変えるタイミングで一度ざっと目を通しておくと安心ですよ。逆に「速く投げたいけど反則にならないタイミングの詰め方」を知りたい人はクイックモーションの投げ方が参考になります。

野手の投げ方とピッチャーの投げ方はどう違う?|目的別の使い分け

「ソフトボールの投げ方」で検索してこの記事に来た人のなかには、ピッチャーではなく野手としての投げ方(送球)を知りたい人もいると思います。ここは投手とはまったく別の技術なので、住み分けを整理しておきますね。ざっくり言うと、投手は「下から・遅い準備でOK」、野手は「上から・とにかく速く」です。

比較項目ピッチャーの投げ方野手の投げ方(送球)
腕の軌道下手投げ(アンダーハンド)が必須上手投げ(オーバースロー)が基本
ルール上の制約あり(静止・1回転・ステップ)ほぼ無し
優先されるもの球速+制球+変化捕ってから投げ終わるまでの速さと正確性
準備時間数秒かけてOK0.5秒以内に投げ始める
握りフォーシーム固定+球種で変える常にフォーシームで最短
使う距離13.11m/14.02mの固定5m〜70m(外野からの返球含む)

共通しているのは下半身から動いて、腕は最後にしなるという順番だけ。逆に言えば、投手のフォームを野手の送球にそのまま持ち込むと確実に遅れます。野手の送球を伸ばしたい人は内野手の正確な送球のコツ、そもそも投げる・捕るの基本から固めたい人はキャッチボールのコツ、外野から本塁を狙う返球ならバックホーム送球のコツがそれぞれ本命の記事です。

ちなみに私は投手をやりながら外野も守っていたんですが、ピッチングの日と外野の日で投げ方のスイッチを切り替えるのに1週間くらいかかりました。両方やる人は、練習の最初に「今日はどっちの体か」を決めてから入ると混ざりませんよ。

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