こんにちはぷららです。この記事ではソフトボール特有の走り打ち、スラップの打ち方や練習法をご紹介します。
「ソフトボールの走り打ちが気になる」
「左打者だからスラップにチャレンジしてみたい」
そんな方はぜひ記事を読んでみてください。
スラップとは

スラップとは左打者がバッターボックスの中で助走をつけて、バットに当たると同時に走り出すという打ち方です。軽く当てて弱いゴロを打って内野安打を狙ったり、強く叩きつけて前進してきた内野の頭上を越えたり、幅広い戦術をとることができるのが特徴です。
スラップがうまくできるようになると、出塁率が上がるだけではなく、相手投手や守備にプレッシャーをかけることができます。
スラップの種類(ソフト/ハード/フェイク)と使い分け
ひとことで「スラップ」といっても、実は大きく3種類に分けられます。ぷらら自身、最初は1つの打ち方しか知らなくて守備にポジショニングで読まれっぱなしだったのですが、種類を使い分けられるようになってから一気に出塁率が上がりました。まずは全体像をつかんでおきましょう。
ソフトスラップ(流し打ち・確実性重視)
バットを軽く当てて、三遊間やショートへ弱いゴロを転がすのがソフトスラップです。狙いはずばり内野安打。強く振らないぶんミート確率が高く、足を活かしてセーフを狙う一番オーソドックスなタイプです。スラップ初心者がまず身につけるならこれ。
ハードスラップ(強打・長打も狙う)
走りながらもしっかり振り抜いて、外野まで強い打球を飛ばすのがハードスラップです。内野が安打警戒で前進守備をしてきたとき、その頭上を越えれば一気に長打になります。ソフトスラップと見分けがつきにくいぶん、守備にとっては一番イヤなタイプ。難易度は高めですが、これが打てると相手の守備位置を下げさせられます。
フェイク(バント)スラップ
バントの構えを見せて内野を前進させておき、引いてスラップで弾くのがフェイクスラップです。前に出てきた三塁手・一塁手の脇を抜く狙い。守備の意識を一度バントに向けさせるぶん、ソフト/ハード以上に駆け引きが効きます。決まったときの気持ちよさは格別です。
| 種類 | 狙い | 難易度 | 使う場面 |
|---|---|---|---|
| ソフトスラップ | 三遊間への弱いゴロで内野安打 | ★☆☆ | 確実に出塁したい・初心者の基本形 |
| ハードスラップ | 前進守備の頭上を越えて長打 | ★★★ | 内野が前に詰めてきたとき・チャンス拡大 |
| フェイクスラップ | バントと見せて前進した野手の脇を抜く | ★★☆ | 守備の意識をバントに向けさせたいとき |
大事なのはこの3つを同じ構え・同じ足運びから打ち分けること。打つ直前まで守備にどれか分からないからこそ、相手は的を絞れず、スラップが武器になります。
なぜスラップは内野安打になりやすいのか【塁間18.29mのデータで解説】
「足が速くないから無理」と思っている人ほど知ってほしいのですが、スラップが内野安打になりやすいのにはソフトボールの競技構造そのものに理由があります。数字で見ていきましょう。
塁間が18.29mと短く、一塁が近い
ソフトボールの塁間は18.29m。野球の27.43mと比べると約9mも短いんです。それだけ打者が一塁に到達するまでの時間が短く、内野手が「捕って・握り替えて・送球する」までの余裕がありません。だからこそ、弱いゴロでもセーフになりやすい。
| 項目 | ソフトボール | 野球 |
|---|---|---|
| 塁間 | 18.29m | 27.43m |
| 本塁〜一塁の差 | 野球より約9m短い=それだけ守備の時間が削られる | |
三遊間・ショートへの打球が抜けやすい
スラップは引き付けて打つので、打球は自然と三遊間(サードとショートの間)やショート方向へ転がります。ここは内野の中でも一塁から最も遠いエリア。捕ってから一塁までの送球距離が長いぶん、弱いゴロでも間に合わないことが多いんです。下の図でコースのイメージをつかんでください。
スラップで狙う打球コース(内野ダイヤモンドを上から見た図)
左打者が打席(緑●)から三遊間(赤エリア)へゴロを転がすと、捕った野手は一塁まで最も遠い距離を送球することになる。塁間18.29mの短さも相まって、弱い打球でも内野安打になりやすい。
左打者がスラップに有利な理由
スラップが「左打者の打法」と言われるのには、ちゃんとした構造的な理由があります。
- 一塁が近い:左打席は右打席より一塁ベースに近く、スタート地点ですでに数歩ぶん得をしています。
- スイングしながら前進できる:左打者は一塁方向に体を運びながらバットを出せるため、打ち終わりがそのまま走り出しになります。右打者だと三塁側に流れるので、この一体感は出せません。
- 三遊間が自然に狙える:引き付けて打つと打球が三遊間へ向かうので、「一塁から遠いコース」と「一塁に近いスタート」を同時に取れます。
つまり「打つ→走る」が一つの動作でつながる左打者は、それだけで一塁到達が速い。足の絶対スピードよりも、この構造の差が効いてくるんです。だから足が速くなくてもスラップは武器になります。
スラップの打ち方

スラップは走りながら打つのでとにかく足が速いと有利というイメージが先行していています。しかし実際には足の運び方やバットの出し方など、テクニックの部分がかなり重要になります。スラップに入る前に、まずはソフトボールのバッティングの基本を押さえておくと上達が早くなります。
バットの持ち方から、バットに当てて走り出すところまで、順を追って解説します。
バットの持ち方
スラップをするときはバットを短く持ち、かつ左右の手の間を開けます。そうすることでバットコントロールをしやすくなり、出塁しやすい場所にボールを転がすこともやりやすくなります。
拳0.5個分~1個分程度、左右の手の感覚を開ける打者が多いです。
打席の入り方
基本的にはバッターボックスの一番後ろに立ちます。左足がぎりぎりバッターボックスに入っているくらい後ろだと助走に十分な距離が取れ、引き付けて三遊間に打球を打ちやすくなります。
1歩目の出し方
最初はピッチャーに近い位置である右足から動かします。ただし前に出すのではなく、後ろに引きます。このときにつま先がピッチャーのほうを向かないように注意しましょう。つま先がピッチャーのほうを向くと体が早く開いてしまい、打球がピッチャーや二塁手の方向に飛びやすくなってしまいます。
1歩目はピッチャーが腕を後ろに引いたくらいの、少し早めに動かす打者が多いです。タイミングは人それぞれなので、自分が取りやすいタイミングを見つけてみてください。
2歩目の出し方
左足を大きく前に踏み出します。ベースの角につま先を近づけるようなイメージです。この時もつま先を投手側に向けないように意識します。ぎりぎりまで体の開きを遅くすることで、三遊間に打球を飛ばしやすくなります。
2歩目はバットを振る前に踏み込みます。バットを出しながら踏み込むとバッティングのタメを作ることができず、ボールを見極めることができなくなってしまいます。少し余裕をもって踏み込んで、自分のミートポイントまでボールを呼び込みましょう。
3歩目の出し方
3歩目は一塁ベース方向に出します。この時はすでにボールがバットに当たった後になります。ただし注意することは体全体を一塁側に向けないことです。一塁側にステップを踏みますが、つま先は投手側を向けます。そうすることで最後まで体の開きを抑えたスイングをすることができます。
スラップの足運び(1歩目〜3歩目)図解
(1)投手に近い右足を後ろへ引く →(2)左足をベース角へ大きく踏み込む(振る前に踏む)→(3)インパクト後に一塁方向へステップ。連続写真の代わりに足の位置と向きをイメージしてください。
バットの出し方
スラップで重要なのはフライを打ち上げないことです。そのためにできるだけヘッドが下がらないように意識しましょう。最初は走りながら打つとバットが重く感じるので、ヘッドが下がったスイングになってしまいがちです。しかしヘッドが下がるとボールをしたから捉えることになってしまい、フライを打つ確率が上がってしまいます。
上からバットを押し込む意識でスイングをすることで、ヘッドが立ったままバットを振ってうまく転がすことができます。
ボールの打ち方
インパクトの時は、ボールの半分より上側を狙います。強い打球を打ちたいときはボールの中心近く、たたきつける打球を打ちたいときはボールの上1/3を狙いましょう。
ただしゴロを打ちたいからといって、ダウンスイングをしすぎるのはよくありません。ダウンスイングだとバットの軌道とボールの軌道が一致せず、ボールを点でとらえることになってしまいます。地面と平行に振るレベルスイングで、ボールの上部を狙って叩きつけましょう。
一連の流れは以下の動画で確認してみてください。
スラップのコツ

体の使い方を覚えても実際にスラップをしてみると、なかなかバットに当たらなかったり、守備の正面に打ってアウトになってしまったりということがあると思います。
次にスラップ上達のコツをお伝えします。
ボールを引き付ける
スラップで出塁するためには、三遊間やショートを狙って打つことが有効です。そのためにはボールを引き付けて、体の近くでとらえることが必要です。
体が開くのをぎりぎりまで我慢して、ボールが体の前に来てからバットを振りぬくように意識しましょう。
レベルスイングでボールの上側を打つ
ゴロを打とうという意識が強いと、上からダウンスイングでボールを叩きつけようとしてしまいます。
しかしダウンスイングだとボールを点でとらえることができず、バッティングの確実性は下がってしまいます。特にドロップ系のボールを投げるピッチャーが相手だと、バットに当てるだけでも至難の業です。
ダウンスイングではなくレベルスイングで、ボールの軌道にバットを入れてあげるイメージで打ちましょう。ボールの上半分に当てれば、自然と打球はゴロになります。
バントや強打を織り交ぜる
スラップで同じような打球ばかりを打っていると、守備側にポジショニングで対応されてしまいます。その対策としてバントや強打をスラップと織り交ぜて使えるように練習しましょう。
特にスラップの打ち方で強い打球が打てると野手が前進しずらくなり、セーフティバントや弱い打球のスラップが決まりやすくなります。
スラップの練習法

スラップに初めて挑戦する方からさらにスラップのレベルアップをしたい方まで参考になる、3つの練習方法をご紹介します。
ティーを使った足運びの確認
ティー台にボールを置いて、スラップでボールを打つ練習です。意識するのは足の運び方。上記の1歩目から3歩目の動きをゆっくりと確認しながらボールを打ちます。
なにも意識しなくても自然とスラップの足運びができて、体も開かずにボールを打てるようになるまで反復練習を繰り返します。
ティーを使ったスラップの練習
ゆっくりとしたステップが自然とできるようになったら、実践と同じようなスピードで走りながらボールを打ちます。この時に意識することは、とにかく体が開かないこと。ボールを体に近い位置で打てるように、ぎりぎりまで引き付けてスイングします。
この練習で早いステップでも確実に自分のミートポイントで打てるように繰り返します。
狙い撃ちの練習
ピッチャーにハーフスピードでボールを投げてもらい、三遊間にスラップで打つ練習をします。三遊間の位置にネットを置いてターゲットにすれば、自然と三遊間に打つ感覚が身に付きます。
スラップで三遊間に打つのは体の開きやコースごとの細かいバットの出し方を変えることが重要ですが、何度も同じ場所をねらって打つことで三遊間に打球を転がす感覚を身につけることができます。
まとめ
この記事ではスラップの打ち方と練習方法を解説しました。スラップはソフトボールをやっている左打者なら、誰しもが一度はやってみたいと思ったはず。
足が速くなくても練習してテクニックを身に着けることができれば、誰でもスラップを武器にすることができます。ぜひスラップを身に着けて、バッティングの幅を広げてみてください。
スラップだけでなく通常打撃のコース対応も身につけておくと、バッテリーへの揺さぶりがさらに効きます。ぷららのおすすめはインコース(内角)の打ち方とアウトコースの打ち方です。
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