導入
こんにちは、ぷららです。
「バッター、4番!ピッチャー、ここは勝負を避けて歩かせよう!」
試合終盤の大ピンチ、相手チームの最も頼りになる強打者が打席に入った時、ベンチからこんな指示が出ることがありますよね。
野球やソフトボールにおける「敬遠(意図的な四球)」は、ピンチを切り抜けるための最強の防御策の一つです。
でも、いざ敬遠の指示が出た時、「えっと、キャッチャーはどうやって立って球を受ければいいの?」「わざわざボールを4球も投げないといけないの?」と、手順が分からずドギマギしてしまうことはありませんか?
実は現在のソフトボールのルールでは、キャッチャーが立ってボールを4球外す、いわゆる昔ながらの敬遠のルールは大きく変わり、**「申告敬遠(インテンショナル・ウォーク)」**という非常にスマートなシステムが導入されています。
これを知らないと、「監督が『敬遠だ!』って叫んでるのに、ピッチャーが真面目にボールを4球投げようとして暴投してしまう」なんていう最悪の悲劇を生むことになります。
この記事では、絶対に知っておくべき「申告敬遠の正しいやり方(ルール)」と、「一体どんな場面で敬遠を使うべきなのか?」という戦術的な判断基準を徹底的に解説します。
頭を使った知的なソフトボールで相手を封じ込めるためにも、ぜひ最後まで読んでいってくださいね!
【結論】申告敬遠のポイントはこの3つ
まずは、敬遠の基本と最新ルールについて結論からお伝えします。
- 投球不要!「申告」だけで一塁へ直行:監督またはキャッチャーが球審に「歩かせます」と申告(合図)するだけで、ボールを1球も投げることなくバッターを一塁へ送ることができます。
- 途中のカウントからでも申告可能:「2ボール」や「2ストライク」まで勝負したけれど、やっぱり無理!と思った時点でも、いつでも申告に切り替えて敬遠できます。
- 敬遠の最大の目的は「塁を詰まらせること(フォース状態)」:ただ強打者から逃げるためではなく、塁を埋めて「どのベースでもタッチなしでアウト(ゲッツーなど)が取れる状態」を作るのが最大の戦術的メリットです。
では、申告敬遠の詳しい手続きと、使うべきタイミングを見ていきましょう。
申告敬遠(インテンショナル・ウォーク)のやり方・ルール
昔の野球中継で見かけたような、キャッチャーがバッターボックスの外側に大きく立ち上がって、ピッチャーが山なりのボールを4球ポン、ポンと投げる光景。あれはもう今のソフトボール(およびプロ野球など)では見られなくなりました。(※一部のローカルルールを除きます)
申告敬遠の手順
やり方は非常にシンプルで、以下のステップを踏むだけです。
- ピッチャーが投球動作に入る「前」に、守備側の監督(またはキャッチャー、ピッチャーの誰でも可)が、球審に向かって「申告敬遠します」と伝える(または一塁を指差すジェスチャーをする)。
- 球審が「インテンショナル・ウォーク!」と宣告し、バッターに一塁へ行くように指示を出す。
- バッターはバットを置き、一塁へ進む(時間は止まらず、ボールデッドにはなりません)。他のランナーは押し出しにならない限り進塁できません。
たったこれだけです。投球が0球で終わるため、ピッチャーの肩の消耗も防げますし、何より**「敬遠の球をすっぽ抜けて暴投してしまい、サヨナラ負け」**という、昔よくあった大惨事のリスクがゼロになりました。
打席の途中で「やっぱり敬遠」もOK
「最初は勝負するつもりで2ストライクまで追い込んだ。でも次の球でどうしてもアウトコース低めに投げる自信がなくなり、甘く入って打たれるのが怖くなった」
このように、カウントの途中(例えば1ボール2ストライクからでも)からでも、「すいません、やっぱり申告で歩かせます」と球審に伝えることが可能です。バッターからすると「えええ!?」となりますが、ルール上は全く問題ありません。
敬遠を使うべき3つのタイミング(状況判断)
「でも、ランナーをタダで一塁に出すのって勿体なくない?」
そう感じる方も多いはずです。敬遠は「ただの逃げ」ではなく、次のバッターで確実に仕留めるための「撒き餌(まきえ)」です。私が高校生の頃、キャッチャーとして最もよく敬遠のサインを出した3つの状況を紹介します。
状況1: ランナー二塁で次が強打者の時(塁を詰める)
ワンアウト・二塁。バッターは相手の4番。ここでそのまま勝負すると、もし内野ゴロを打たせても、一塁でアウトを取る間に二塁ランナーには三塁へ進まれてしまいます。
ここで4番を「申告敬遠」して、あえて【ランナー一塁・二塁】にします。
こうすることで、次の5番バッターを内野ゴロに仕留めれば、三塁ベースも二塁ベースも「フォースアウト(ボールを持ってベースを踏むだけでアウトになる状態)」になります。内野手がタッチの手間を手放せるため、ゲッツー(ダブルプレー)が圧倒的に取りやすくなるんです。「塁を詰まらせる(フォース状態を作る)」のが、敬遠の最大の戦術的価値です。
状況2: 言わずと知れた「満塁策」
ツーアウト・ランナー二塁・三塁で、バッターが好打者。ここでヒットを打たれたら確実に2点が入り、試合が終わります。
この場合もバッターを申告敬遠で歩かせ、【満塁】の状況を作ります。
満塁になれば、ホームベースを含む「すべての塁がフォースアウト」になります。ピッチャーが投げたボールをキャッチャーが少し弾いても、すぐに拾ってホームベースを踏めばスリーアウト(追加点ゼロ)にできるため、守備陣のプレッシャーが劇的に軽くなります。
状況3: 相手の「絶好調の打者」と「不調の打者」の並び
ソフトボールでは、「1番、2番が異常に足が速くて上手いけど、下位打線はそうでもない」というチームによく遭遇します。
ツーアウト・三塁のピンチで、バッターが今日すでに2本スリーベースを打っている絶好調の3番バッター。しかし「次の4番や5番は、今日は全然タイミングが合っていない」というデータがあれば、迷わず3番を申告敬遠し、不調の打者との勝負を選択します。これを「打者の天秤にかける」と言います。
敬遠の注意点・よくある失敗
敬遠策を指示するベンチがやりがちな、チームの空気を冷やしてしまう大失敗があります。
それは、**「ピッチャーの気持ち(プライド)を確認せずに、ベンチから一方的に敬遠を指示すること」**です。
マウンドで必死に戦っているピッチャーは、ピンチになればなるほど「絶対に俺が抑えてやる!」とアドレナリンが出まくっています。そこに監督から「はい、打たれそうだから歩かせて」とアッサリ言われると、ピッチャーは「自分の球が信用されてないんだ…」と心を折られてしまい、次のバッターでコントロールを乱してしまうことがめちゃくちゃ多いんです。
敬遠(申告)をする時は、必ずキャッチャーがマウンドに行き、「ここは戦術として歩かせて、次の〇番でゲッツー狙うよ!お前が悪いんじゃないからな!」と一言フォローの声をかけるのが、絶対に外せない「人間関係のセオリー」です。
よくある質問(FAQ)
敬遠に関する素朴な疑問にお答えします。
Q: 申告敬遠をされた打者は、塁に出るのを「拒否」してそのまま打席に立ち続けることはできる?
A: もちろんできません(笑)。球審からインテンショナル・ウォークが宣告された時点で、打席に立つ権利は消滅し、無条件で一塁へ進む「義務」が発生します。
Q: 申告敬遠って、1試合に何回(何人)までやってもいいの?
A: 回数制限は全くありません。もし相手のチームが全員超高校級のスラッガーで、誰もまともに相手できないと思ったら、全員を申告敬遠して100点取られるまで歩かせ続けることもルール上は可能です(やる意味は皆無ですが)。
Q: 大谷翔平選手みたいに、もし申告敬遠の途中でボールが甘く入ったら打ってもいい?
A: 昔の「4球投げる敬遠」なら、甘く入った球に飛びついて打つことは可能でした。しかし、現在の「申告敬遠」はボール自体を1球も投げないので、打つチャンスは物理的に存在しません。
まとめ
ソフトボールにおける「申告敬遠」のルールと、戦術としての使い所を解説してきましたが、いかがでしたか?
最後にもう一度、使いこなすためのポイントをおさらいします。
- ボールを投げる必要はなし!「歩かせます」の申告だけで1秒で完了。
- 打席の途中のどのカウントからでも申告して歩かせることができる。
- ただ逃げるのではなく「満塁策や塁を詰まらせてゲッツーを狙うため」に使う。
- ピッチャーの自尊心を傷つけない声掛け(戦術の意図の共有)が必須!
敬遠は、見ている観客からは「勝負しろよー!」とヤジが飛ぶこともありますが、勝つためには絶対に避けて通れない「大人の戦術(タクティクス)」です。
試合状況を冷静に分析し、ピンチを最小限の傷で切り抜けるために、この記事の知識をぜひチーム内で共有しておいてくださいね!
それでは、またグラウンドでお会いしましょう!ぷららでした。

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