導入
こんにちは、ぷららです。
ソフトボールの試合前、スターティングメンバー発表の時。
「1番、ショート山田。……なんとなくわかる。
「9番、サード鈴木……ん?打順終わったのに『10番、FP(フレックス)、ピッチャー田中』? え、10人目の選手って何!?」
ソフトボールの試合に出始めた初心者や、野球経験者がチームの監督を任された時に一番パニックになるのがこれです。
野球の「DH(指名打者)制」はとてもシンプルですが、ソフトボールに採用されている**「DP(Designated Player) / FP(Flex Player)」というルールは、パズルゲームのようにめちゃくちゃ複雑**です。しかし、このルールを完璧に使いこなすことができれば、チームの戦術の幅(攻撃力と守備力の最大化)がチート級に跳ね上がります。
この記事では、読めば100%理解できるように「ソフトボールのDPとFPのルールの仕組み、活用方法、そして絶対にやってはいけない交代(ペナルティ)の罠」について、専門用語を噛み砕いて徹底解説します。
これを読めば、次の試合のオーダー用紙(打順表)を書く時に手が震えることはなくなりますよ。さあ、一緒にルールの壁を突破しましょう。
【結論】DP(指名選手)とFP(フレックス)の正体とは?
まずは難しく考えず、この2人の「役割」をスッパリ定義してしまいましょう。
- DP(Designated Player:打撃専門):バッティングがめちゃくちゃ得意なので、「誰か(※基本はFP)」の代わりに守備を免除されて**「打つためだけに打線(1〜9番のどこか)にいる選手」**です。
- FP(Flex Player:守備専門):守備がめちゃくちゃ得意(特にピッチャーなど)なので、DPに打席を譲って**「守るためだけにいる10人目の選手」**です。打席には立ちません。
野球のDH(指名打者=ピッチャーの代わりに打つ)と似ていますが、大きな違いがあります。
それは、**DPは『ピッチャー以外の誰の代わりに入っても良い』**ということです。肩が弱いけど長打力がある選手(DP)を、守備の要である名ショート(FP)の代わりに入れる、ということができます。
DP/FPルール採用時の「特殊な仕組み(10人制)」
このルールを採用した場合のみ、グラウンドに立つ選手と打席に立つ選手のシステムが変化します。
オーダー表(打順表)の書き方
- 打順表の「1番から9番」までは、普通に「守備と打撃」をする選手を書きます。(※この中に、打撃専門の『DP』を1人混ぜて書きます)
- その結果、守備のポジションが1つ余ります。(DPは守備をしないため)
- そこで、余ったポジション(例えばピッチャー)を守る守備専門の選手『FP』の名前を、**打順表の一番下(10番目と呼ばれる枠)**に書きます。
これで、「打つのは1番〜9番の9人」「守るのはDP以外の9人」という、合計10人のチーム編成が完成します。
ルールが複雑になる「交代(入れ替わり・兼任)」の仕組み
ここからがソフトボール特有の複雑な部分です。「打つだけ」「守るだけ」だったDPとFPは、試合中に「合体」したり「分離」したりすることができます。
状態1:DPが「FPの守備」を兼ねる(10人から9人へ)
試合の途中で、「DPのAさんがノってきたから、そのままFPだったBさんの守備(ピッチャー)にも入らせよう」ということが可能です。
- この場合、Aさん(DP)が「打撃+ピッチャー」を両方行うことになります。
- 仕事がなくなったBさん(FP)は、どうなるのか?「一度試合から退場(ベンチへ下がる)」という扱いになります。(※これにより、試合は9人で継続されます)
状態2:FPが「DPの打順」に入る(10人から9人へ)
逆に、「FPのBさんに、DPのAさんの代わりとしてバッターボックスにも立たせよう」ということも可能です。
- この場合、Bさん(FP)が「ピッチャー+打撃」の両方を行うことになります。
- 仕事がなくなったAさん(DP)は、一時ベンチへ下がります。(※同じく試合は9人になります)
状態3:DPが「他の選手の守備」を兼ねる(謎の役職「OPO」の誕生)
これが一番混乱するルールです。
DPのAさんが、FP(Bさん)以外の、例えば「ライトを守っているCさん」の守備に就きたい場合。
- Aさん(DP)は「ライト」の守備に入ります。
- すると元のライトだったCさんはどうなるか?Cさんはなんと退場せず、**打順(打つ権利)だけが残った「OPO(Offensive Player Only=打撃専門選手)」という謎の役職**に変化して試合に残り続けます。
- この場合、Aさんが守って、Bさんも守って、Cさんは打つだけになるので、試合のシステムとしては「10人」のまま成立しています。(※スコアブックを書く人が一番泣くパターンです)
【超重要】絶対にやってはいけない「不正交代の罠」
DP/FPの交代は自由度が高い分、間違えると「無死アウト」や「退場処分」といった重いペナルティ(不正交代)を食らいます。
罠1:審判への「申告漏れ」
状態1や状態2のように「DPとFPの仕事が合体する(10人から9人になる)」時は、**必ず球審に「DPがFPの守備を兼ねます(またはその逆)」と申告**しなければなりません。
勝手にグラウンドに出て(または勝手に打席に入って)プレイが始まると、相手チームからアピール(抗議)された瞬間に不正交代の反則に問われます。
罠2:DPとFPの「同時攻撃」は絶対禁止
DP(打つ人)とFP(守る人)は、**「一人の選手の体を、攻撃用と守備用に2つに切り分けたセット」**と考えてください。
そのため、DPのAさんと、FPのBさんが、同じ回(イニング)に「二人ともバッターボックスに立つ」ことはルール上100%ありえません。打順は必ず「どちらか片方」しか存在しません。
よくある質問(FAQ)
DP/FPルールに関する細かい疑問です。
Q: 退場してベンチに下がったFP(Bさん)は、もう二度と試合に出られないの?
A: いいえ、ソフトボールには「リエントリー(再出場)ルール」があります。スターティングメンバー(先発)で登録されたFPやDPであれば、一度ベンチに下がっても、**「一度だけ」**元のポジション(または元の打順)に戻る形での再出場が許可されています。
Q: DPやFPを途中で「完全に別の代打・代走」と交代させることはできる?
A: 可能です。DPのところに「代打・Cさん」を出すのは普通の選手交代と同じです。FPのところに「代走・Dさん」を出すのも同じです。ただし、この場合も「交代した選手」がDPやFPの権利を引き継ぐことになるため、ルールの複雑さはそのまま残ります。
まとめ
野球のDH制とは比較にならないほど難解で奥深い、ソフトボールの「DP / FP ルール」について解説してきましたが、いかがでしたか?
最後にもう一度、オーダーを組むための最重要ポイントをおさらいします。
- DPは「打撃」のスペシャリスト、FPは「守備(基本は10番枠に記載)」のスペシャリスト。
- DPとFPの役割を試合途中で**「兼任(合体)」させて、10人制から9人制に移行することができる。**
- 打撃と兼任したことで不要になった選手は**ベンチに退くが、スタメンならリエントリー(再出場)で1回だけ復活**できる。
- 交代や兼任を行う時は、**絶対に球審に申告しなければならない(怠ると不正交代の反則)。**
このルールを活用すれば、「足の速い選手を守備で使いながら、打席では長打力のある選手を起用する」といった、超攻撃的な戦術や鉄壁のディフェンスを状況に応じて自在に組み替えることができます。
最初は頭が混乱するかもしれませんが、自分のチームのメンバーで「AさんがDPで、BさんがFPで…」とシミュレーションしてみると、驚くほど戦力の幅が広がりますよ。
次回の試合では、ぜひこのDP/FPルールを戦略に組み込んで、相手チームを圧倒してくださいね!ぷららでした。

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